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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.014・サザエさん/三河屋のサブちゃん編】

■東京都内で宅配サービスを手掛ける三河屋(代表・三郎)が好調

 

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※写真はイメージです。

 東京・世田谷区に本社を構え、食料品などの宅配ビジネスを専門に手掛ける三河屋(代表・三郎)の業績が好調だ。

 

 同社は戦後間もなく創業し、長年にわたり地元商店街の酒店として営業を続けていたが、1990年代後半からスーパーやコンビニなどの台頭により徐々に業績が悪化。一時は倒産も危ぶまれるほどの深刻な経営危機に陥った。そんな同社を救ったのが、青森から10代で上京して同社に就職した現社長の三郎氏である。

 

 創業者から経営トップを引き継いだ三郎社長は、大胆なビジネスモデルの転換を図る。創業以来続けてきたご用聞きサービスを強化し、商店街内の精肉店鮮魚店などと連携して幅広いニーズに応える宅配サービス「サブちゃん」を開始したのだ。

 

 すると、少子高齢化により増加した高齢単身世帯のニーズを捉えて大ヒット。三郎社長はアニメ『サザエさん』に長年出演しており、中高年への知名度が高いことも功を奏した。2010年のサービス開始以降、うなぎ登りで利用者を増やし続けている。

 

 最近ではほとんどテレビに出演しなくなった三郎氏。ある経済の専門家は「サザエさんのスポンサーから東芝が消え、近頃はAmazonが名を連ねるようになった。御用聞きサービスで急成長を遂げる三河屋はいわば競合であり、テレビ局も出演させ続けるわけにはいかなくなったのでは」と分析する。

 

■2018年からは出前ビジネスを開始。新型コロナの巣ごもり消費が追い風に

 

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※写真はイメージです。

 もっとも、三郎社長は「テレビ出演している時間が取れないほど忙しい」(関係者)というのが実情のようだ。2年前から同社が始めた出前ビジネス「じいばあイーツ」が絶好調で、近しい友人たちには「タマの手も借りたいほど」と漏らしているという。

 

 同社が2018年から展開する「じいばあイーツ」は、その名の通り高齢者向けに特化した出前ビジネスだ。高齢者でも食べやすい和食中心のメニューを揃えているのに加え、あえてインターネットやスマホを利用せず、手書きのチラシを契約者の各戸に配布して注文を取り付けるというアナログさが受け、爆発的な人気に繋がった。

 

 さらなる追い風となったのが、新型コロナによる「巣ごもり消費」の拡大である。大手サービスの「出前館」や「Uber Eats」では、飲食店からの新規出店の登録に一定の時間がかかる一方、「じいばあイーツ」は、手書きのチラシを作成すればすぐに出店できるため、一気に登録店舗が広がった。「新型コロナで営業自粛が要請される中、これで売上を確保できて本当に助かった」と感謝を口にする飲食店経営者も多いという。

 

 庶民的な価格設定で、多くの高齢者から支持を集める三河屋。年金受給者が多いことから「収入減が見込まれる現役世代に比べ、コロナ不況の影響も限定的」だという見方が強く、今後も着実に成長を続けていきそうだ。

 

※この記事はフィクションです。

 

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