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ファミコン法廷【事例No.001】勇者を名乗り窃盗を繰り返した男。

さて、本日から始まりました「ファミコン法廷」。ゲームや漫画の中に出てくる「凶悪犯」たちを、「裁判長もっぴ」が一人ひとり吊し上げていくというこの企画、記念すべき第1回はこの方です!

ファミコン法廷<No.001>】

被告人Rは、自ら「勇者」の名を語り、訪れた街の住人を安心させた上、深夜、全住民が寝静まった後などを見計らい、無断で住居に進入。さらに金品を窃取したもの。訪れる街すべてで犯行におよび、その後逃走。趣味である刀剣の購入資金などに利用した。

被害総額は約5000G。素泊まりの宿泊料金が大人1人50G程度であることから考えると、かなりの金額にあたると考えられる。また窃取した品には希少価値の高い品々も多く、その被害は甚大なものと想像される。

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自宅に無断侵入して空き巣を繰り返した被告人R ※写真はイメージです。

勇者Rさん、はっきりいって悪行三昧ですね。これは相当な極悪人といえそうですが、このケースですと・・・、

 

【刑法第130条:住居侵入罪】

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

【刑法第256条:窃盗罪】

1.盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。

2.前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

このあたりの罪が該当してくるでしょうか? ただ、そこは正義の味方、U者Rトさん。救済の手立てが全くないか?というと、決してそんなわけではありません。

そのためには、「違法性阻却事由」にあたるかどうか?という判断が必要になってきます。簡単にいえば、「確かに窃盗などの罪にあたるけれども、社会的には相当、言ってみれば、まあ悪くないんじゃない?」って考えられるかどうか、で判断されます。

例えば、代表的なものが「正当防衛」です。人を殴ったこと自体を見れば、それは傷害罪にあたります。けれども、「ちょっとまて!それは反撃なんだから仕方がないんとちゃうか?」と判断されて罪に問われない、となるわけです。(…もちろんやり過ぎはだめですけど)

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※写真はイメージです。



で、この勇者Rさんの場合、正当行為にあたるがどうかが争点になりそうです。

【刑法第35条:正当行為】

法令または正当な業務による行為は、罰しない。

たとえば、スポーツでケガをさせてしまっても罪にならない、というのはコレにあたります。この「正当な業務」には、「被害者が承諾しているケース」というのも含まれますから、例えば「勇者様に持っていって欲しい!」みたいな世界共通の思いが立証できるとしたら、なんとかなるかもしれませんが…。

ただ、悪人の金品を盗んだ場合であっても、それはれっきとした犯罪です。「みんなが持っていって下さい」と思っていたと考えるのは、やっぱり相当無理がありそうな…。

U者Rさんの無罪への道のりは、ラスボスを倒すよりも険しそうです・・・。

 

【犯罪プレイをしないために<裁判長もっぴより>】

  1. まず、絶対に他人の家に勝手に踏み込まないこと。
  2. タンスや壺など家のものなどを、勝手に持っていかないこと。


なんだか当たり前のことですが、ゲーム内では平然と盗みが繰り返されます。たとえクリアできなくても、社会通念に逸脱しないプレーを心がけましょう。

 

 

<おことわり>

※可能な限り、実際の日本の法律に基づいて執筆しておりますが、あくまで空想の世界の話です。より正確な情報を知りたい方は、お近くの法律の専門家にお尋ねください。

 

 

あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.004・ドラゴンクエスト/勇者編】

人材ビジネスで急伸するロト(代表・勇者)。独自の人材育成ノウハウが話題 

 

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※写真はイメージです。

 人材育成ビジネスで急成長を続ける注目株が、株式会社ロトだ。同社はCEOを務める勇者氏が創業。同氏は、各国のバックアップを得て長年にわたり害獣を専門で駆除するハンターとして活躍したほか、未知の土地を開拓する冒険家としても世界的に有名な人物だ。

 

 同社がグループ会社「ルイーダの酒場」と連携して展開しているのが、1から優秀な人材を育成するビジネスである。ルイーダの酒場で基本的な経験を積んだ後、CEOである勇者氏によるOJTで、それぞれの職業についてさらなる経験値を貯めていく。「どんな遊び人でも、実務に役立つレベルに到達させられるのが当社の売り」と話す勇者氏。一定レベルに到達すればジョブチェンジを図り、他職種のスキルを習得するなど、目的に応じてゼネラリストの育成も可能だという。

 

 同社のキーパーソンの一人が、COOを務めるトルネコ氏だ。同氏は元々、刀剣販売会社のサラリーマンだったが、貿易ビジネスで成功を収める一方、その類い稀な交渉術で、紛争状態にあった二国を停戦に導いた。その功績により国の後ろ盾を得て自身の店舗を開業。その後も国家プロジェクトである地下トンネル工事への投資事業に成功するなど、一代にして巨万の富を築き上げた世界屈指の実業家として知られる。株式会社ロトに招聘されて以降も、持ち前の希有な才覚を発揮し、同社の発展を力強く支えている。

 

 高度なスキル習得のノウハウを集めた「悟りの書」を書店販売か

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※写真はイメージです。

 

 同社の強みは、どんな遊び人でも、着実に努力を重ねていけば高度なスキルを習得できる独自のメソッド「悟りの書」の存在だ。同社では、このメソッドをまとめて書籍化し、世界各地のショップで販売する新たな事業を模索している。これが実現すれば「ベストセラーは確実」と推す専門家も多く、同社の売上を大きく押し上げる可能性を秘めている。

 

 ただ、懸念されるのが創業者の「黒い疑惑」である。CEOの勇者氏は、少年時代から住宅・商業施設などに押し入り、手当たり次第に窃盗を繰り返してきたとの噂がある。未成年であったことなどを勘案し、結果的に不起訴となっているが、コンプライアンスが強く求められる昨今、いつ問題視されてもおかしくない状況ではある。また、この窃盗で得た金品が同社の創業資金になっているとすれば、多額の賠償請求を提起される可能性も否定できず、今後の情勢は不透明だといえそうだ。

 

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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.003・鬼滅の刃/胡蝶しのぶ編】

 創薬企業の蟲柱(代表・胡蝶しのぶ)の株価急伸。新型コロナ打破に期待高まる

 

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※写真はイメージです。

 世界的に未知のウイルスが猛威を振るう中、創薬ビジネスで右肩上がりの成長を続けているのが、株式会社蟲柱(代表・胡蝶しのぶ)である。今年で100周年を迎えた同社は、大正時代には珍しい女性起業家・胡蝶しのぶ氏(初代)が創業した会社で、同氏は突如人が凶暴化し世間に恐れられた奇病を、独自開発の薬で回復させたという逸話も残る。

 

 現在でも同氏の精神を受け継ぎ、三代目胡蝶しのぶが事業を牽引。多くの人を病気の苦しみから救うべく、祖業である創薬ビジネスのほかにも、グループ会社の医療法人での病院経営や、医療従事者を育成する教育機関の運営なども行っている。

 

 2019年12月以降、中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、世界中に拡散を続けて猛威を振るっている。国内でも急速に感染が拡大しており、3月2日からはさらなる感染拡大を抑止するため、小学校・中学校・高校などの休校が要請されるなど、日本社会全体に大きな影響を及ぼしている。

 

 こうした中、政府から要請を受けた同社は、同じく大正時代創業の惑血株式会社(代表・珠世)と連携し、「新型コロナ克服のため、できる限り早期にワクチンを開発する」と表明。すでに臨床段階まで開発が進んでおり、今世界中からその動向に注目が集まっている。

 

 藤の花を主成分にした殺虫剤でシェア拡大。世界拡販も視野に

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※写真はイメージです。

 

 同社の今後の成長の鍵を握るのが、農薬分野である。同社が開発する殺虫剤「ウィステリア」(和名:藤の花)は、藤の花を主とした天然由来の成分を使用しているのが特徴。野菜の生育を妨げるクモなどの害虫防除に高い効果を発揮する一方、人体への影響はほとんどなく、循環型農業を推進する欧州各国から徐々に注目を集め始めている。

 

 シンジェンタ(スイス)やバイエル(ドイツ)など、農薬メジャーが生き残りをかけてしのぎを削るなか、同社の「ウィステリア」は国内シェア80%を占めるなど、圧倒的な地位を確立しており、本格的な世界展開を視野に入れているという。新型コロナウイルスが沈静化した後も、さらなる飛躍に期待できそうだ。

 

※この記事はフィクションです。

 

あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.002・ドラゴンボール/天津飯編】

天津飯と餃子の太陽軒(代表・天津飯)、6次産業化を強みに出店攻勢

 

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※写真はイメージです。

 慢性的な人手不足や新型コロナウイルスの影響などで苦戦する飲食企業が多いなか、出店攻勢をかけているのが、天津飯と餃子の専門店「太陽軒」 のクラウンカンパニー(代表・天津飯)だ。同社のCEOである天津飯氏は、格闘ショー「天下一武道会」などで活躍後、一転して農家の道へ。餃子(チャオズ)氏とともに大規模栽培に取り組むも、長年にわたり利益率が低い状況にあり、苦戦が続いていた。

 

 そこで天津飯氏が取り組んだのが「6次産業化」である。6次産業化とは、1次産業(農林漁業)、2次産業(製造業)、3次産業(小売業等)を掛け合わるという意味の造語で、農家自ら加工品の製造や直接販売などに取り組むことを指す。収益性の低い農家が、より付加価値の高いビジネスを構築する方法の一つとして注目されているが、農家の負担が増えるなどデメリットも多く、実際には成功例が少ないのが実情である。

 

 同社では、自社農場で栽培した野菜を使い、中華料理の定番メニューである天津飯と餃子に特化した専門店を5年ほど前に開店。するとこれが大ヒット。開店当初こそ集客に苦戦するものの、「店の前を通ると、超能力を使われているみたいに吸い寄せられる」と評判に。メディアなどにも頻繁に取り上げられるようになり、開店半年後には行列の絶えない人気店となった。その後チェーン展開を果たし、今年度は100店舗達成を視野に入れている。

 

 同社の強みは、人件費の安さにある。1年ほど前にセントラルキッチンを導入。天津飯CEO自ら陣頭指揮を執ることで、各店舗で行われていた調理作業を集約し効率化を果たした。率先垂範する天津飯CEOの作業スピードは尋常ではなく、社員曰く「まるで社長の腕が4本になり、4人に分身しているように見えるほど」だという。作業の効率化を達成したことで、今後はこれまで手薄だったランチにも力を入れていく計画だ。

 

 同社に死角があるとすれば、財務面かもしれない。現在、CFO最高財務責任者)は餃子氏が務めているが、「数字に滅法弱く、単純な足し算も指を使ってするレベル」との声が聞かれ、さらなる発展に向けて優秀な人材を獲得すべきではと指摘されている。また、店舗スタッフの接客指導を行う天津飯氏の妻・ランチは、喜怒哀楽が非常に激しく、一部でパワハラを行っているのではないかとの疑惑もある。ただ、警備保証会社として急伸する元気玉孫悟空代表や、カプセルコーポレーションのCTO・ブルマ氏らと親交が深く、うまく連携を図っていけば「餃子の王将」「バーミヤン」などの大手チェーンを脅かす存在となりそうだ。

 

※この記事はフィクションです。

 

あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.001・ドラゴンボール/悟空編】

警備サービスの元気玉(代表・孫悟空)が最高益。数年後の上場目指す。

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※写真はイメージです。


 株式会社元気玉の業績が好調だ。同社は2020年、孫悟空社長が創業した警備会社。孫社長は、幼少期から非営利でテロ組織などの撲滅に向けた活動を世界規模で展開。その後、一定の役目を終えたとの判断から活動を休止するも、ほぼ非営利で長年活動を続けてきたことから生活に困窮。妻であり同社のCFOを務めるチチ氏の強い後押しの下、一旦は農業をスタートさせる。

 しかし、収益化に苦しみ、再びチチ氏の発案で始めたのが警備事業だ。新事業を開始するにあたり、同じくテロ撲滅活動に取り組み、警官となったクリリン事業本部長を招聘。チチ氏の父の個人資産やクリリン氏の妻・18号氏が格闘ショーで得た賞金などを元手に、本格的に警備保障ビジネスを始動させる。

 創業1年目の売上は数百万円程度だったが、その後急伸し、現在は売上100億円にまで拡大。すでに大手警備会社を脅かす存在となっており、数年後の株式上場も視野に入れている。

 同社の強みは、他社を寄せ付けない収益性の高さだ。同業と比べても設備投資の負担が少なく、その利益率は群を抜く。孫CEO自ら陣頭指揮にあたり、人海戦術でグローバルに警備サービスを提供。人口減少が進む過疎地に本社を置きながら、緊急時には孫CEOが瞬時に現場へ急行。不審者を秒単位で捕捉するという。その迅速な対応は、同業の経営者らも「真似のできないレベル」と一様に舌を巻くほどだ。

  孫CEOはカプセルコーポレーション(代表・ブリーフ)の経営陣や、格闘ショーなどで巨万の富を築く資産家・ミスター・サタン氏と個人的に親交があり、資金援助も受けられる状況にあることから、財務面の不安も少ない。また、カプセルコーポレーションとは、保安関連機器の開発などで長年協力関係にあるのも大きい。

 一方で、不安材料もある。孫CEO、クリリン事業部長を中心とした労働集約型のビジネスモデルであり、今後のさらなる規模拡大には、早急なスタッフ育成が欠かせない。ただ、世界的にテロ活動が頻発する状況が続いており、今後は軍需産業などの防衛分野でも存在感を発揮しそうだ。また、額に手をかざすことで強烈な光を生み出す独自のノウハウを持っており、今後はこれを活かした太陽光発電などのエネルギー事業にも着手していく考え。数年後の上場に向けて視界は良好だと言えそうだ。

 

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令和ということで全く新しいメディアの登場です。大げさですが。

いよいよ、新しい時代、令和がはじまりましたね。

 

というわけで、新しいことを始めようと、ブログをスタートすることにしました。その名も「空想ビジネスオンライン」。これまで勉強してきた経済・経営の知識や執筆経験を活かしながら、ちょっぴり面白くてちょっぴりタメになる、そんなエンタメ系メディアを少しずつ育てていければいいなぁと思っております。あくまで「空想」ですが。

 

色々とネタをため込んでいるんで、これから随時、アップしていきたいと思います。

それではみなさん、どうぞよろしくお願いします! 

 

空想ビジネスオンライン編集長 ライター もっぴ