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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.018・クレヨンしんちゃん/野原しんのすけ編】

■型破りな経営で注目を集めるベンチャー、株式会社クレヨン(代表・野原しんのすけ

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※写真はイメージです。

 新型コロナの感染拡大により、世の中は大きく変わろうとしている。では、私たちはどのように振る舞えばいいのか? 

 

 今年2月の発刊以降、耳目を集め続けるビジネス書『シン・ニホン』の中で、著者であるヤフー株式会社CSO安宅和人氏は、これから訪れるのは「妄想し、形にすることが富に直結する時代」だと喝破する。

 

 ビジネスパーソンに必要なのは「妄想力」――。そんな安宅氏の見立てを聞いた人の多くは、「ある人」のことを思い浮かべたに違いない。そう、10代の若手ベンチャー起業家として今最も注目を集める、株式会社クレヨンCEOの野原しんのすけ氏である。

 

 野原氏は、幼稚園児の頃から、友人数名とともに「かすかべ防衛隊」という名称の自警団を組織し、数多くのテロ活動を未然に防いできた。その活動の軌跡は、マンガやテレビアニメ、映画などを通じて広く紹介され、国民的な人気を誇っている。

 

 周囲の大人たちに迎合せず、人との距離を瞬時に縮めてしまう類い稀なコミュニケ-ション力の持ち主で、「これからの時代の理想のリーダー像」に推す人も少なくない。そんな同氏が、中学卒業と同時に立ち上げたのが株式会社クレヨンだ。

 

■独自のエクササイズが大ヒット。今後は「妄想力」を鍛える保育園の設立も

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※写真はイメージです。

 株式会社クレヨンの事業は、まさに「妄想力」がコア・コンピタンス(中核となる強み)となっている。

 

 同社の中核をなす「エクササイス事業」も、野原氏の妄想から生まれたものだ。幼少時代から野原氏が続けてきた「ケツだけ歩き」を、「臀部をスリムにしたい」という母親のためにアレンジして独自のエクササイズを考案。すると「ヒップや太ももに効く」と主婦層を中心に話題となり、野原氏は「ダイエットのカリスマ」と称されるまでに。

 

 自ら出演する週1回のテレビ放映によって認知度を高め、「ケツだけ歩きエクササイズ」の愛好家は、1000万人に迫る勢いで増加中だという。

 

 同社ではこのほかにも、野原氏が考案したスナック菓子「チョコビ」を、菓子メーカーの東ハトとコラボして商品化するなど、事業拡大を続けている。

 

 さらに今後は、野原氏の生き方に共感する子育て世代をターゲットに、民間保育園を設立する計画も進めている。同社の「ケツだけ歩きエクササイズ」による体力増進に加え、「妄想力」「鈍感力」など、次代を生き抜くビジネスパーソン必携のスキルを、幼少時代から徹底的に鍛えるカリキュラムを構想中だという。

 

 既成概念にとらわれない破天荒経営者の手により、次代を切り拓く型破りな人材が生まれていく――。野原氏のような経営者が増えることで、閉塞感漂う日本に明るい未来がやってくることを大いに期待したい。

 

※この記事はフィクションです。

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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.017・ポケットモンスター/サトシ編】

合同会社GET(代表サトシ)が、独自の発電技術で躍進

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※写真はイメージです。

 東日本大震災を契機に盛り上がりを見せた再生可能エネルギーへの転換。だが、電力の固定価格買取制度(FIT)に後押しされる形で、全国各地に大規模な太陽光発電所(メガソーラー)が建設されたものの、その後、FITの買取価格が下降するにつれて徐々に下火となりつつある。

 

 そんな中、再生可能エネルギー分野で成長を続けているのが合同会社GET(代表・サトシ)だ。独自の技術で電力を生み出す画期的なビジネスモデルで、世界中が注目する日本初のスタートアップ企業である。

 

 同社を率いるサトシCEOは、幼少時代から世界中を旅する好奇心旺盛な少年だった。野生動物の研究などで知られるオーキド博士から教えを受けたサトシ少年は、自然と野生動物の生態に精通するように。自ら希少な生物たちを探し集め、それらを格闘させるトレーナーとして活躍するが、その後、本格的に起業家の道に進むことを決意する。

 

 サトシ氏が目を付けたのが、幼少時代から長年にわたり飼育を続け、その生態を知り尽くした「ピカチュウ」という生き物だ。

 

 ピカチュウとは、ネズミのような愛くるしい姿をした動物で、大量の電気を生み出す特徴がある。そこでサトシ氏は、野生のピカチュウを大量に捕獲し、その電気を活用する発電ビジネスを発案。オーキド博士をCTOに招いて研究を重ねた結果、2020年に実用化へと漕ぎ着けた。

 

 現在では、電力自由化を追い風にシェアを伸ばし、日本国内で消費される電力の約10分の1を供給するまでに発電量を増やしている。

 

■高圧送電設備が必要なく、手軽に「地産地消」できるのが強み

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※写真はイメージです。

  合同会社GETの強みは、環境負荷を極力抑えながら、低コストで電力を供給できる点だ。ピカチュウが電力を生み出すのに必要なのはエサ代のみで、石油などの化石燃料に頼らなくてもいい。原発事故などのリスクがなく、安全性が高いのも大きなメリットだ。

 

 さらに有望なのが、1ヵ所で発電を行ってそこから送電する既存の大規模発電所とは違い、「電力の地産地消」がしやすい点だ。高圧の送電線を張り巡らす必要がなく、電力インフラが整備されていない途上国でも容易に導入できる。今後、同社の発電システムは、世界的に普及していく大きな可能性を持っている。

 

  懸念材料を挙げるとすれば、ピカチュウの乱獲の恐れだろう。今後もさらなる捕獲が続けば、動物愛護団体などが問題提起し始める恐れもある。ただ、同社ではすでに、携帯ゲーム機やスマートフォン向けアプリなどを使い、世界中のリモート社員がピカチュウを孵化・飼育できる仕組みを構築しており、今後も際限なく乱獲が進む可能性は少ないはずだ。

 

 ただ、ピカチュウのエサ問題は深刻になるかもしれない。大好物だというケチャップが不足すれば、予期せぬ大規模停電が発生する可能性もあるほか、「スーパーの店頭からトマトが消えるのでは」といった懸念を口にする専門家もいる。

 

  企業の存続という点では、サトシCEOというカリスマに支えられた属人的なビジネスだけに、後継者問題も気がかりだ。もしかしたら、水面下ではすでに次期トップを狙い、社員同士による熾烈なバトルが世界中で展開されているのかもしれない。

 

※この記事はフィクションです。

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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.016・浦島太郎/浦島太郎編】

■竜宮城(代表・浦島太郎)、シニア起業のモデルケースに

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※写真はイメージです。

人生100年時代」を迎えた今、シニア世代が引退後に起業するケースが増えている。日本政府も高齢者の活躍を強く後押しするなか、長年培った経験やスキルを活かしたシニア起業は、今後もさらに増えていくことが予想される。

 

 そんな中、シニア起業のモデルケースとして注目を集める会社がある。浦島太郎氏がCEOを務める株式会社竜宮城だ。

 

 同社の創業者・浦島氏を知らない人は、日本ではおそらくいないだろう。腕利きの漁師として活躍していた20代の頃、近隣の子どもにいじめられていた亀を助けた浦島氏は、その亀に海底へと引きずり込まれてしまう。気がつくと宮殿のような建物に連れ込まれ、以後数十年にわたって監禁されることとなった。

 

 強いマインドコントロールによって幻覚を起こし、両親の最期に立ち会うことすらできなかった浦島氏。長期の監禁から無事解放された時には、すでに90歳を超えていた。この悲劇の物語は、メディアでもたびたび取り上げられ、書籍や絵本として出版されたほか、アニメ化もされ、日本国中に広く知れ渡ることとなった。

 

 監禁から解放された後、海を眺めてのんびり過ごす日々を続けていた浦島氏だったが、その後、漁師時代から片鱗を見せていた商才を発揮し始める。監禁中の数十年の間に自宅の建つ土地の価格が急激に上昇。この土地を売却して得た資金を元手に新たなビジネスを立ち上げたのである。

 

■キャンプブームに乗り、燻製キット「玉手箱」が大ヒット

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※写真はイメージです。

 2010年に株式会社竜宮城を設立した浦島氏がまず目を付けたのが「燻製」だ。元漁師であり魚の特性を熟知している強みを活かし、スモークサーモンなど魚介類の燻製を手軽に自作できるキット「玉手箱」を発売。するとこれが2010年代後半頃からのキャンプブームに乗り、年間10万個を売り上げる大ヒット商品となったのである。

 

 この燻製キットで成功を収めた浦島氏は、意外なビジネスを次なるターゲットに据える。それは「メンズ美容市場」だ。

 

 2015年4月、誰でも老け顔になれる男性向け新感覚美容キット「玉手箱」を売り出した同社。発売当初は「こんな商品、売れるわけがない」と酷評する専門家が大半だったが、大方の予想に反し、ダンディーな大人の男に憧れる若い世代から爆発的な人気を集めることに。ベイビーフェイスにコンプレックスを持つ人や、若く見られるのが嫌な人たちにうけているという。

 

 利用者からは「これまでは若く見られて軽くあしらわれることが多かった。老け顔になったことで取引先からも信頼されるようになった」といった声が上がるなど、特にビジネス面でのプラスの影響を口にする人が多いという。

 

 ただ、この美容キット「玉手箱」を巡っては、見た目だけでなく「体力まで衰えた」「記憶力が明らかに落ちた」といったクレームが急増しているという。2013年には「カネボウ美白化粧品問題」が大きな話題となったが、もしこの老化問題が事実であれば、大きな訴訟問題に発展することは免れないだろう。こればかりは、煙に巻いて話を終わりにする、というわけにはいかなそうだ。

 

※この記事はフィクションです。

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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.015・ドラゴンボール/ヤジロベー編】

■富裕層向けの健康ビジネスで注目集めるカリン塔(代表・ヤジロベー)

 

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※写真はイメージです。

 健康志向の高まりを受け、ヘルス関連ビジネスが注目を集めるなか、2020年に設立されたベンチャー企業カリン塔(代表・ヤジロベー)が話題を集めている。

 

 同社が主力とするのは、健康食品「仙豆」の製造・販売だ。同社の代表を務めるヤジロベー氏は、社名の由来ともなっている「カリン塔」において、年老いた猫が数百年にわたり栽培を続けてきたとされる幻の食品「仙豆」の量産化に成功。これを富裕層向けに販売したところ、瞬く間に大ヒットとなり、その人気は世界に広がりを見せている。

 

 1粒1万円と高額だが、警備時ビジネスで急伸する元気玉孫悟空CEO(※注1)や、農業・飲食事業を手掛けるクラウンカンパニーの天津飯氏(※注2)など、ビジネス界でも若手ベンチャー起業家を中心に仙豆の愛用者は多いという。

 

 仙豆の特徴は、10日間は飲まず食わずで過ごせるほどの満腹感が得られることだ。1粒食べるだけで、腹がはちきれんばかりに膨れるのだという。ところが、仙豆の「真の魅力」は別のところにある。実は、瀕死の状態になった負傷者を瞬時に蘇らせるほどの驚異的な治癒効果があるというのだ。

 

 実際にSNSなどでは「仙豆を食べてケガが治った」「切断した腕が元通りになった」といった喜びの声を上げる人が続出。薬事法の兼ね合いで大々的な広告宣伝は難しいものの、これが事実であれば、口コミを起爆剤にさらなる売上の伸長も大いに期待できる。

 

■飲むだけで手軽に筋肉増強を実現できる新商品「超神水」を開発中

 

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※写真はイメージです。

 同社の仙豆は、意外なところからも注目を集めているという。それが災害時の非常食としての利用だ。

 

 これまで自らの舌で大量の仙豆を試食してきたというヤジロベー氏によれば、「数百年前から壺に入れてあったものでも問題なく食べられた」ほど保存性が高いという。

 

 数年程度であれば問題なく口にできるうえ、保存場所にも困ることはない。細かく切って食べれば多くの人の空腹を満たせることから、まさに非常食にはうってつけの代物なのだ。すでにいくつかの自治体から「備蓄用として購入を検討したい」といった話が舞い込んできているという。

 

 そんな同社では目下、利用者に格闘家やスポーツ選手が多いことに着目した新たな商品「超神水」を開発中だ。こちらも、同社が製造拠点とするカリン塔に古くから伝わる秘薬で、飲むだけで驚異的な筋肉増強効果を得られるという。ただ、過去には服用者に多くの死者が出ているとの噂もあり、安全性への配慮が今後の大きな課題となりそうだ。

 

※注1

あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.001・ドラゴンボール/悟空編】 - 空想ビジネスオンライン

※注2

あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.002・ドラゴンボール/天津飯編】 - 空想ビジネスオンライン

 

※この記事はフィクションです。

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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.014・サザエさん/三河屋のサブちゃん編】

■東京都内で宅配サービスを手掛ける三河屋(代表・三郎)が好調

 

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※写真はイメージです。

 東京・世田谷区に本社を構え、食料品などの宅配ビジネスを専門に手掛ける三河屋(代表・三郎)の業績が好調だ。

 

 同社は戦後間もなく創業し、長年にわたり地元商店街の酒店として営業を続けていたが、1990年代後半からスーパーやコンビニなどの台頭により徐々に業績が悪化。一時は倒産も危ぶまれるほどの深刻な経営危機に陥った。そんな同社を救ったのが、青森から10代で上京して同社に就職した現社長の三郎氏である。

 

 創業者から経営トップを引き継いだ三郎社長は、大胆なビジネスモデルの転換を図る。創業以来続けてきたご用聞きサービスを強化し、商店街内の精肉店鮮魚店などと連携して幅広いニーズに応える宅配サービス「サブちゃん」を開始したのだ。

 

 すると、少子高齢化により増加した高齢単身世帯のニーズを捉えて大ヒット。三郎社長はアニメ『サザエさん』に長年出演しており、中高年への知名度が高いことも功を奏した。2010年のサービス開始以降、うなぎ登りで利用者を増やし続けている。

 

 最近ではほとんどテレビに出演しなくなった三郎氏。ある経済の専門家は「サザエさんのスポンサーから東芝が消え、近頃はAmazonが名を連ねるようになった。御用聞きサービスで急成長を遂げる三河屋はいわば競合であり、テレビ局も出演させ続けるわけにはいかなくなったのでは」と分析する。

 

■2018年からは出前ビジネスを開始。新型コロナの巣ごもり消費が追い風に

 

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※写真はイメージです。

 もっとも、三郎社長は「テレビ出演している時間が取れないほど忙しい」(関係者)というのが実情のようだ。2年前から同社が始めた出前ビジネス「じいばあイーツ」が絶好調で、近しい友人たちには「タマの手も借りたいほど」と漏らしているという。

 

 同社が2018年から展開する「じいばあイーツ」は、その名の通り高齢者向けに特化した出前ビジネスだ。高齢者でも食べやすい和食中心のメニューを揃えているのに加え、あえてインターネットやスマホを利用せず、手書きのチラシを契約者の各戸に配布して注文を取り付けるというアナログさが受け、爆発的な人気に繋がった。

 

 さらなる追い風となったのが、新型コロナによる「巣ごもり消費」の拡大である。大手サービスの「出前館」や「Uber Eats」では、飲食店からの新規出店の登録に一定の時間がかかる一方、「じいばあイーツ」は、手書きのチラシを作成すればすぐに出店できるため、一気に登録店舗が広がった。「新型コロナで営業自粛が要請される中、これで売上を確保できて本当に助かった」と感謝を口にする飲食店経営者も多いという。

 

 庶民的な価格設定で、多くの高齢者から支持を集める三河屋。年金受給者が多いことから「収入減が見込まれる現役世代に比べ、コロナ不況の影響も限定的」だという見方が強く、今後も着実に成長を続けていきそうだ。

 

※この記事はフィクションです。

 

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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.013・桃太郎/桃太郎編】

 ■ペットフード業界に新風を巻き起こすピーチボーイズ(代表・桃太郎)

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 ペットフード業界は、住環境の変化や単身世帯の増加などにより、犬の頭数減少が顕著となる一方、ペットの「家族化」「健康志向」に配慮した高単価のプレミアム商品が支持を集め、市場規模はむしろ上昇傾向にあるという。そんなペットフード業界において、画期的な商品で新風を巻き起こしているのが株式会社ピーチボーイズ(代表・桃太郎)だ。

 

 同社の桃太郎社長は、不遇な幼少時代を過ごしながら、それをバネに大きな成功を掴んだ立志伝中の人だ。

 

 誕生して間もなく巨大な桃の中に押し込められ、川に流されるという虐待を受けた桃太郎氏。その後、血縁のない高齢夫婦に拾われて養育を施されるものの、ほぼ自給自足の生活は、決して裕福と言えるものではなかった。

 

 それでも養父母の愛情を一身に受けた桃太郎氏は一獲千金を夢見て冒険家の道へと進み、それまで誰も成し得なかった孤島「鬼ヶ島」での鬼退治という偉業を達成し、莫大な富を得ることに成功した。

 

 桃太郎氏の立身出世伝は数多くの出版社で書籍化され、アニメやゲーム、音楽など幅広いメディアに展開されている。さらに最近は、桃太郎氏自身がケータイキャリアのauのテレビCMに出演。小さな子供から高齢者まで、日本国内に知らない人はいないほどの抜群の知名度を誇る。

 

■冒険家を引退し、大ヒット商品「きびだんご」を開発・販売

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 冒険家を引退した桃太郎氏は、養父母が手作りする「きびだんご」に着目。冒険家時代、道中を手助けするスタッフとしてイヌ、キジ、サルを同行させる際、報酬として差し出したきびだんごを食べると従順になったことから、これをペットフードとして販売することを思いつく。

 

 養父母からきびだんごのレシピを伝授されると、イヌ、キジ、サルと共に量産化に着手し、「お腰につけたきびだんご」の商品名で販売。「も~もたろさん、ももたろさん♪」というキャッチーなCMソングで一気に知名度を高め、爆発的なヒットを記録することとなった。

 

 同商品の最大の特長は、これを食べればどんなペットでもすぐに懐くことだ。とりわけイヌやサル、キジには効果てきめんで、その他のペットや野鳥などにも効くという。飼い主の虐待などによって人間不信に陥ったペットでもすぐに懐くことから、「保護されて行き場のないペットたちの救いになるのでは」と期待を寄せる関係者も少なくない。まさに桃太郎氏は、ペット業界を救う英雄といったところだろうか。

 

 ただ、宅配ビジネスで急成長を続ける野比株式会社(代表・野比のび太/※注1)も「桃太郎印のきびだんご」という名称のペットフードを取り扱うなど類似品が横行。同社では今後、当該企業を相手に訴訟を起こす構えを示しているが、すでに普通名詞化しているきびだんごの商標権を主張するのは難しく、また全く製法も異なることから「特許侵害にも当たらないだろう」と専門家は見る。もしも泥沼の法廷闘争に発展するようなことがあれば、これまで築き上げてきたブランドを棄損する危険性もはらんでいる。

 

■盗難品である金品の着服、さらには強盗殺人の疑惑も

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 さらに問題なのは、桃太郎氏が同社設立時に使用した「黒い資金」である。設立資金の大半は、桃太郎氏が少年時代、鬼退治で得た財宝が原資となっている。桃太郎氏は特定の企業・個人から依頼を受けて鬼退治を行ったわけではなく、あくまで自主的に発案したもの。となれば、この時に得た財宝は、鬼が窃盗や強盗によって得た盗難品と考えるのが妥当だろう。桃太郎氏がこれらの財宝を、盗難品を知りながら持ち主の了解を得ずに着服していたとすれば大問題だ。

 

 加えて、桃太郎氏の幼少期を描いた書籍『桃太郎』によると、鬼を殺害したと類推される記述が多くみられる。この鬼が、仮に病気などによって人間から変化したものだとすれば、法律上は人間とみなされるはずだ。そうなれば、桃太郎氏が善意で行った「鬼退治」は、強盗殺人に該当する可能性が極めて高い。

 

 桃太郎氏の活躍を描いた最近の書籍では、鬼を殺したとみられる表現を避け、「仲良くなった」といった記述に変更されているものが多く、「過去の犯罪が明るみに出るのを防ぐための火消しなのでは?」と犯罪学の専門家は分析する。

 

 少年法が適用される年齢であることから、罪に問われる可能性は低いと言えるが、経営者が強盗殺人事件の主犯だったとなれば、ペットフード業界を大きく揺るがす一大スキャンダルに発展することは避けられそうにない。

 

 そもそも鬼とは何者だったのか。なぜあの時、自らが持つきびだんごを食べさせ、鬼を手なずけなかったのか――。桃太郎氏の今後の発言に注目が集まっている。

 

※注1

kusobusiness.hatenablog.com

 

※この記事はフィクションです。

 

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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.012・スプラトゥーン/インクリング編】

■スクイッド(代表・インクリング)が、独自技術のリモート塗装で躍進

 

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※写真はイメージです。

 新型コロナが建築業界にも大きな打撃を与える中、塗装ビジネスを手掛ける株式会社スクイッド(代表・インクリング)が業績を拡大している。同社は、塗装業界にいち早くICTを活用したビジネスモデルを導入。2015年5月の設立以来、順調に売上を伸ばしてきた注目のベンチャー企業だ。

 

 同社の強みは、塗装作業のすべてをリモートで完結できる独自のノウハウにある。世界中に散らばる作業員をインターネットを通じて招集し、4人1組の2チーム制でそれぞれがロボットを操縦して作業を進めていく。この仕組みによって突発的に発生した大規模案件にも柔軟に対応することが可能で、わずか数分の間に、街の一角や大学、音楽堂、博物館などを塗り上げるという圧倒的なスピードが最大の武器だ。

 

 これには同業者からも「あのスピードは人間業とは思えない」と驚きの声が上がるほど。新型コロナの影響でリモートワークが強く要請される中、現地に足を運ぶことなく作業ができることから「しばらく一人ガチの状態が続くのでは?」と分析する専門家も多い。

 

 ただ、ネックとなるのは塗装の品質だろう。その仕上がりに不満を持つ顧客は少なくない。「どんな依頼をしてもすべてツートンカラーに仕上がる」といったクレームのほか、「作業がとにかく雑で、塗り残しが多い」といった指摘もある。

 

 同社では、塗装の品質向上を図るため、塗り残しがないように2つのチームを競い合わせる独自の評価システムを導入している。しかし、互いに足を引っ張り合い、納期を過ぎても塗装が完了していないといった案件が多数発生しているという。リモートワーカーたちのマネジメント手法に今後の課題がありそうだ。

 

■2017年からは巨大アサリの養殖事業を立ち上げ

 

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 同社は、新規事業の開拓に意欲的なのも特徴だ。フェス事業、アイドル育成事業、サバゲー事業など、創業間もない頃からさまざまな事業を手掛けビジネスの多角化を図ってきたが、ここ数年、最も力を入れているのがアサリの養殖事業である。

 

 同社では2017年12月、小さなアサリから巨大なアサリを養殖する独自の手法を確立したと発表。塗装業で培った技術を応用することで、リモートによる量産化にも成功しており、今後は「ガチアサリ」のブランド名で全国のスーパーなどで販売していく予定だ。

 

 実は、同社には、海産物に精通したスタッフが多いことで知られている。水産業界の関係者からも「衰退が叫ばれる業界の救世主となるのでは?」と大きな期待が寄せられている。

 

※この記事はフィクションです。

 

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