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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【No.011・アンパンマン/ジャムおじさん編】

 ■製パンメーカーのパン工場(代表・ジャムおじさん)、FC展開で売上伸長

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※写真はイメージです。

 株式会社パン工場(代表・ジャムおじさん)が、フランチャイズ展開で売上を拡大させている。

 

 同社の誕生は1973年、創業者のジャムおじさん氏が自家製パンを原料に作成した人型ロボット「あんぱんまん」を使用し、世界中の貧しい人々に無償でパンを与えるボランティア活動を始めたのがきっかけだ。

 

 1973年には法人化し、パン専門の工場を建設。さらに移動式のパン工場の自社開発、人型ロボットの増産などを経て順調に事業拡大を図り、今期200億円の売上を見込んでいる。

 

 親子をターゲットにしたメディア戦略で知名度を高め、今や国民的な人気を誇るようになった同社では、2020年にフランチャイズ展開へと大きく舵を切った。

 

 FC契約を結んだパン製造・販売業者に材料を提供し、同社の看板メニューである「アンパンマン」の売上の一部をロイヤリティとして徴収。「このパンを食べると元気が出る!」を話題を呼び、同社とFC契約を結ぶ業者は右肩上がりで増え続けている。

 

■真の強みは人型ロボットの開発力。産業機械業界の脅威に?

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※写真はイメージです。

 同社の最大の強みは、独自の設備開発力にある。移動用パン工場を自社で製造するほか、パンを原料とした人型ロボットの開発にも力を注いでおり、すでに数体の実用化に成功している。

 

 同社では、ジャムおじさん氏をはじめ、女性幹部1名、愛犬1名という非常に限られた人的リソースにも関わらず、急な注文にも迅速に対応し、人型ロボットを活用して世界各地にパンを空輸することが可能だ。

 

 この人型ロボットの燃料は、「鮮度の高いパン」。パワーが落ちてきたタイミングで頭部に設置されたパンを交換すれば再び駆動する。ボディ部分の交換が要らず、圧倒的な低コストで稼働できるのが最大の特徴だ。

 

 その技術力は、工作機械メーカーの技術者たちが「パン作りではなく、ロボット技術で世界一を目指せるレベル」と白旗を上げるほど。「もしもロボット産業に進出されたら…」と不安を口にする業界関係者も多いという。

 

 懸念があるとすれば、違法なコピー商品の横行だろう。同社とFC契約を結ばす、中小のベーカリーが「アンパンマン」に酷似した商品を製造・販売するケースが後を絶たない。 知名度向上に一役買っていた面もあり黙認されてきたが、今後の状況次第では強硬な手段を講じる必要が出てくるかもしれない。

 

 ただ、「とにかく性格は穏やか。悪事を働いた者にもパンを与える優しさがある」(パン工場関係者)というジャムおじさん氏が、厳しい対応を取るのは難しいのではと不安視する向きもある。

 

 国内の人口減少が進むなか、今後のパン業界の課題となるのが「海外展開」である。しかし、業界大手の山崎製パンフジパングループでも、海外売上比率は10%未満と、対応は遅れていると言わざるを得ない。

 

 こうした中、創業当時から独自の空輸ノウハウを蓄積し、海外でもすでに一定の人気を得ているジャム工場は、今後のパン業界の台風の目となるかもしれない。

 

※この記事はフィクションです。

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